2015年10月25日日曜日

病院実習~放射線診断~

放射線診断科の教授諮問まとめ。

QT1とT2強調使い分けは?
A T1は解剖を表す。白質は白、灰白質は灰色とそのまま。
 T2は病変を表す。

QCT値って?
A水を0、空気を-1000、骨を+1000、としてX線吸収量を2000分割。物質の密度に対応。
人間の眼ではそこまで厳密に見れないので、window widthをとる。

QCTでの白質と灰白質の画像は?
白質は脂肪(神経線維を髄梢ミエリンが囲っている)、灰白質は細胞が多く、水っぽい。
CTでは灰白質は水(0)に描出。

Q骨が白いけどCTか?
A骨は皮質骨と海面骨の間に骨髄があり、脂肪組織があるためMRIで高信号(脂肪はT1、T2ともに高信号)に。

Q頭頂葉と後頭葉の溝は?
A頭頂後頭溝、そのまま。

Q脳梗塞の病変が画像で分かる時間は・
A
CT:1日~2日
MRIT2:6時間
MRIDW:2時間

Q赤核ってなぜ赤いの?MRIではどう見える?
A酸化鉄だから。磁場が乱れるので低信号。

Q黒質、淡蒼球って本当にそんな色なの?
Aそれぞれメラニン、二価銅イオンの色。

Q連合線維と投射線維って?
連合線維は脳梁膨大部にて右脳左脳を連絡。

豆知識;透明中隔のう胞の人はボクサーになれない


病院実習~病理診断科~

将来の志望の1つとしても考えている病理診断科を回ったときの記録。
先生たちは話好きの人が多い。デスクの並んだオフィスもあり、他の医局と比べて落ち着いている。病理を専攻するためには臨床経験をきちんと積むことが大事らしい。


①腎生検のクルズス(のちに学生実習にも)

Q染色法は?
PAS染色とPAM染色は原理は同じらしい。PAS染色は細胞質も染める。糖蛋白を染め、血管基底膜の変化の観察に優れている。PAM染色では結合組織を黒く染める。

Q輸入動脈と輸出動脈の大きさは?
A→輸入の方が平滑筋が発達しており、太い。DM腎症では同じに見える。

Q近位尿細管と遠位尿細管の違いは?
A刷子縁のある近位尿細管ではPASで細胞染まる。

Q輸出動脈からの先は?
A集合管と並走→腎静脈

②生検のクルズス
Q炎症とは何か?
A病原刺激を除去し、障害を受けた組織を取り除く反応。

Qがん、癌、肉腫の違いとは?
A
がん→悪性腫瘍、浸潤性、転移、増殖能を有すもの
癌→粘膜や皮膚といった上皮細胞(外界に接する細胞)に由来する腫瘍
肉腫→筋肉や骨、脂肪、血管といった非上皮性細胞由来の腫瘍

がん=癌+肉腫+血液腫瘍(非固形)

Q生検で分かることは?
A分化度、遺伝子変異

Q深達度は生検で分かるか?
A分からない。標本と違って表層のみである。深達度は内視鏡肉眼所見、消化管造影、CTで評価。

Q消化管の構造
A粘膜→粘膜下筋板→粘膜下層→固有筋層→漿膜下層→漿膜(serosa)

まとめ→生検で分かることは標本と違い、わずか。

③野口分類のクルズス
Q野口分類の画期的な点とは?
AタイプAとタイプBは予後100%。すなわち上皮内癌。

QタイプBとタイプCは繊維芽細胞増殖があるかないかだけで見極めていいものか?
A①タイプC’としてminimal invasive carcinomaが知られている。新しいWHO分類ではこれも採用。

QEVG染色とは?
A膠原繊維→赤 弾性繊維→黒紫 

Qなぜ繊維芽細胞があるとタイプCで予後が悪くなるか
A基底膜をやぶって浸潤すると修復反応が起きて、繊維芽細胞が増殖。すなわち繊維芽細胞があると浸潤しており、上皮内癌の位置づけではない。

Q肺胞と乳頭状構造の違いが難しい時は?
AEVG染色で分かる。乳頭状増殖では弾性繊維が残っていないため、黒紫が見えない。
弾性→置換性  黒く染まっていない→非置換性

Q乳頭状と腺管状の違いは?