将来の志望の1つとしても考えている病理診断科を回ったときの記録。
先生たちは話好きの人が多い。デスクの並んだオフィスもあり、他の医局と比べて落ち着いている。病理を専攻するためには臨床経験をきちんと積むことが大事らしい。
①腎生検のクルズス(のちに学生実習にも)
Q染色法は?
PAS染色とPAM染色は原理は同じらしい。PAS染色は細胞質も染める。糖蛋白を染め、血管基底膜の変化の観察に優れている。PAM染色では結合組織を黒く染める。
Q輸入動脈と輸出動脈の大きさは?
A→輸入の方が平滑筋が発達しており、太い。DM腎症では同じに見える。
Q近位尿細管と遠位尿細管の違いは?
A刷子縁のある近位尿細管ではPASで細胞染まる。
Q輸出動脈からの先は?
A集合管と並走→腎静脈
②生検のクルズス
Q炎症とは何か?
A病原刺激を除去し、障害を受けた組織を取り除く反応。
Qがん、癌、肉腫の違いとは?
A
がん→悪性腫瘍、浸潤性、転移、増殖能を有すもの
癌→粘膜や皮膚といった上皮細胞(外界に接する細胞)に由来する腫瘍
肉腫→筋肉や骨、脂肪、血管といった非上皮性細胞由来の腫瘍
がん=癌+肉腫+血液腫瘍(非固形)
Q生検で分かることは?
A分化度、遺伝子変異
Q深達度は生検で分かるか?
A分からない。標本と違って表層のみである。深達度は内視鏡肉眼所見、消化管造影、CTで評価。
Q消化管の構造
A粘膜→粘膜下筋板→粘膜下層→固有筋層→漿膜下層→漿膜(serosa)
まとめ→生検で分かることは標本と違い、わずか。
③野口分類のクルズス
Q野口分類の画期的な点とは?
AタイプAとタイプBは予後100%。すなわち上皮内癌。
QタイプBとタイプCは繊維芽細胞増殖があるかないかだけで見極めていいものか?
A①タイプC’としてminimal invasive carcinomaが知られている。新しいWHO分類ではこれも採用。
QEVG染色とは?
A膠原繊維→赤 弾性繊維→黒紫
Qなぜ繊維芽細胞があるとタイプCで予後が悪くなるか
A基底膜をやぶって浸潤すると修復反応が起きて、繊維芽細胞が増殖。すなわち繊維芽細胞があると浸潤しており、上皮内癌の位置づけではない。
Q肺胞と乳頭状構造の違いが難しい時は?
AEVG染色で分かる。乳頭状増殖では弾性繊維が残っていないため、黒紫が見えない。
弾性→置換性 黒く染まっていない→非置換性
Q乳頭状と腺管状の違いは?
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